離婚とお金のこと
財産分与の基準は?
財産分与は、離婚時に夫婦が協力して築いた財産を均等に分配することです。
夫婦のどちらかが、専業主婦(夫)だった場合でも、婚姻中に築いた財産は共有の財産となります。
現金など、均等に分けられるものに関しては、問題ないのですが、特に問題となるのは、基本的には分けることのできない建物や土地などの不動産です。
売却するか、住み続けるか、不動産の価値と残りのローン残高など、状況によって分配の方法が大きく異なります。
離婚後に、マンションのローン支払いでトラブルになる例もよく目にしますので、そのようなトラブルを避けるためにも、財産分与でお悩みの方は、一度当事務所にお問い合わせください。
慰謝料を受け取りたい場合
慰謝料は、どちらかが離婚原因を作ってしまった場合、その作ってしまった側が、離婚相手に支払う精神的苦痛に対する損害賠償になります。最近では慰謝料という呼び方に、抵抗のある方も多くいらっしゃるため、「離婚解決金」と呼ばれることもあります。
慰謝料には、基準となるような相場はなく、精神的苦痛の程度、それを受けた期間、相手の収入などを考慮し決めることになりますが、最も重要なのは相手の支払い能力になります。
財産分与の対象となるものがあれば、慰謝料分を上乗せして財産分与を行うことが、一度で確実に受け取れる方法ですが、場合によっては分割払いで、何年かに分けて受け取ることもあります。
子供の養育費って支払ってもらえるの?
離婚後に子供と離れて暮らす親は、その子供または養育する親に対して、養育のためのお金を支払う義務があります。この支払うお金のことを「養育費」と呼びます。
養育費算定表という、算定表もありますが、表通りの金額ではなく、双方の合意の基で好きな金額に決定することも可能です。
子供がいる夫婦の離婚は、養育費の金額について揉めることも多くあります。
養育費を支払うことは、一般的に広く認知されていますが、実際には離婚した夫婦のうち、しっかりと養育費が支払われているのは、25%しかいないと厚生労働省の調査で分かっています。
口約束だけでは、支払ってもらえなくなる可能性も大いにあるので、離婚協議書や公正証書などの書面にしっかりと残しておくことが大切です。
離婚時年金分割について
離婚時に、婚姻期間中に支払った厚生年金と旧共済年金に関しては、受取額を夫婦間で分割することが可能です。
ただ、必ずしも年金分割をしたほうがいい訳ではないので注意が必要です。
夫婦で共働きをしていて、それぞれで厚生年金を収めていた場合、年金分割を行うことで、収入の少なかった側は将来の年金が増えますが、収入の多かった側は将来の年金が減ることになるからです。
なので、どちらか一方の収入が、極端に少ない場合などの救済措置として、利用する制度と考えておくと良いでしょう。
ただし、自営業の場合は、加入している年金制度が、国民年金となるので、年金分割を行うことができません。
合意分割と3号分割
<合意分割>
合意分割は、夫婦間で話し合いを行い、分割する割合を決める方法です。
話し合いの上で、お互いが合意をすれば、分割の割合は1/2ずつでなくても構いません。
ただし、請求する側の按分割合は最大で1/2と決まっています。
<3号分割>
3号分割は平成20年4月以降の婚姻期間中に、3号被保険者の期間に該当する期間分を分割する方法です。
(3号被保険者とは、配偶者に扶養されており年収が130万円未満の人)
3号分割は夫婦間での合意が必要ないため、分割を請求する側が年金事務所で手続きを行えば1/2ずつに分割することができます。